水の都記念病院

胃内視鏡検査(経鼻内視鏡)

当院の胃内視鏡検査は患者様の負担が少ない経鼻内視鏡(細径内視鏡)を使用しています。経鼻内視鏡で使用する細径内視鏡の直径は5mm程度で、従来の経口内視鏡の約半分の太さです。内視鏡の苦痛は飲み込むときの舌根部の圧迫による嘔吐反射です。経鼻内視鏡は舌根部の嘔吐中枢を刺激せずに挿入が可能で、患者様の苦痛が軽減されます。

細径内視鏡

細径内視鏡はボールペンより細く
鼻腔から挿入可能です

胃内視鏡検査

胃内視鏡で診断できる疾患と治療

逆流性食道炎

胸やけ症状で発症する病気です。胃液の食道への逆流が主な原因です

噴門部胃切除術後に発症した難治性の逆流性食道炎

治療開始2か月後に食道炎は改善しています

胃十二指腸潰瘍

空腹時の腹痛で発症します

NSAIDs(消炎鎮痛剤)使用後の出血性十二指腸潰瘍

制酸剤による治療開始後1週間で潰瘍は縮小しています

早期胃癌

検診で発見された早期胃癌

高次病院へ紹介し内視鏡下に切除 2年後再発なし

進行胃癌

貧血と下血で精査し発見された進行胃癌
高次病院へ紹介し胃切除施行

ヘリコバクターピロリ菌
の診断と治療

Helicobacter pylori菌は1982年にオーストラリアのBarry MarshallとRobin Warrenによって発見された胃に住み着くことができる唯一の菌です。感染したまま放置すると慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌などが引き起こされる可能性があります。日本の高齢者は世界的に見ても感染率が高いと言われています。

ヘリコバクターピロリ菌感染胃;粘膜が萎縮し血管が浮き出て見えます。
当院ではヘリコバクターピロリ菌の診断と治療を積極的に行っています。

検査の流れ

1. 迅速ウレアーゼ:内視鏡検査中に組織を採取して診断します 2. 尿素呼気試験:袋の中に息を吐きこんで採取した呼気から検査します 3. ピロリ菌抗体検査:血液中の抗体を調べます

治療について

ヘリコバクターピロリ菌の治療はプロトンポンプ阻害薬(胃酸を抑える薬)と二種類の抗生物質を1週間内服してもらいます。現行の薬では初回除菌で90%以上の除菌成功率があります。一次除菌で不成功の場合は抗生物質を変更して二次除菌を行います。二次除菌で95%以上の除菌成功率があります。二次除菌で不成功の場合三次除菌(保険適応外)も行います。ピロリ菌は一度除菌できると再感染はほとんどありません。
除菌治療で胃癌の発症率を下げることが可能ですが、胃の粘膜萎縮が強い場合は除菌後の発癌も報告されています。除菌が成功しても年一回の胃内視鏡検査が推奨されています。

内視鏡下嚥下機能評価

内視鏡下嚥下機能評価とは鼻から内視鏡を挿入し飲食物を正常に飲み込めているかどうかを確認する検査です。

脳卒中や加齢などで飲み込む力が弱って飲食物が正常に食道に送り込まれず気管に入ってしまい、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こすことがあります。内視鏡下嚥下機能評価を行うことで適正な栄養管理を行う指標を得ることができます。

唾液が気管内に流入し、誤嚥リスクが非常に高いと判断された画像

内視鏡下胃瘻造設(PEG) PEG = Percutaneous Endoscopic Gastrostomy :
経皮内視鏡的胃瘻造設術

PEG(ペグ)とは、内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術のことです。

口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法です。胃瘻は鼻からのチューブなどに比べ、患者さんの苦痛や介護者の負担が少なく、喉などにチューブがないため、お口から食べるリハビリや言語訓練が行いやすいというメリットがあります。

バルンチューブタイプの胃瘻造設

PEGの適応基準について

1. 必要な栄養を自発的に摂取できない 2. 正常な消化管機能を有している 3. 4週間以上の生命予後が見込まれる成人および小児 4. 医学的な側面と倫理的側面から考察する必要がある

胃瘻造設による経管栄養

メリット
・介護が容易になる
・自己抜去のリスクが低い
・介護施設でもみることができる
・生命予後が長くなる
デメリット
・造設時に出血や他臓器損傷のリスクあり

高齢になり本人が胃瘻を造設しても長生きしたいとおもっているかどうか?

胃瘻造設が必要になる場合、患者様自身が造設に対する意思表示ができないことがほとんどです。その場合家族が決定する必要があります。そこで最近提唱されているのが人生会議(アドバンス・ケア・プランニング; ACP)の必要性です。ACPはご自身の意識がはっきりしている間に、今後の人生をどのように過ごして、どのような医療やケアを受けたいかをご家族や専門職との話し合いの中で決めて記録に残すとよいでしょう。口から食べられなくなった時に胃瘻を作るのかどうか、呼吸状態が悪化した時に気管内挿管や人工呼吸器装着をして蘇生延命処置をはかるのかどうかなど、自分の意思を明確にしておくことが大切です。

大腸内視鏡検査

大腸癌は日本人のがん死亡率で男性では肺癌に続いて2位、女性では1位となっています。検診などで便潜血反応が陽性となった場合は速やかに大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

検査時の注意事項

大腸内視鏡検査は検査前日から準備が必要です。検査の前日の昼から検査食という便にならない食事のみ摂取していただき、寝る前に下剤を服用します。検査当日の午前中に来院していただき、水溶性の下剤を服用して大腸に溜まっている便塊をすべて排出して検査を開始します。

便潜血陽性で検査し発見された15mmの大腸ポリープ
将来的に大腸癌に進展する可能性が高く、高次病院へ紹介し内視鏡下に切除

右下腹痛で検査し発見された上行結腸癌 高次病院へ紹介し右半結腸切除を行なった

診療案内

当院の内視鏡診療部では胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査を行っています。
胃内視鏡検査は経鼻内視鏡を使用し、嘔吐反射が無く楽に検査を受けることができます。

胃内視鏡検査※予約制



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大腸内視鏡検査※予約制

毎週土曜日 午前に来院 昼頃から検査

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土曜 9:00〜13:00 14:00〜18:00